コラム

【現役日本語教師の正直インタビュー】どんなに翻訳ソフトの機能が高まっても、自分で紡いだ言葉には勝ることはないと思います

日本語教師養成講座 コラム

現役日本語教師にインタビュー!

①日本語教師を目指したきっかけはなんですか?日本語教師になるまでには、どのような経緯がありましたか?

小学生のころから英語が好きで、将来は国際的な仕事がしたいと思っていましたが、「時代」もあり、大学卒業後は、一般企業に就職し、いわゆるOLとして働いていました。
しかし、何かが「違う」というモヤモヤ感が常にあり、「自分にもできること」を考えていた時に佐々木瑞枝先生の著書を読み、『日本語教師』を見つけました。
もともと「言葉」が好きだったこと、塾講師の経験から「教える」ことも嫌いじゃなったこともあり、会社を辞め、「1年で資格を取る」と期限を決めて、420時間の日本語教師養成講座に通い、また日本語教育能力試験に合格して資格を得て日本語教師としてスタートを切りました。

②どうして今ここ(国内)で働くことを決めたんですか?

海外に出て教えたいという気持ちは、もちろんありましたが、ずっと国内で働いているのは、外的要因が大きいです。(ライフサイクルのためと言ってもいいかもしれません。)
日本語教師としてスタートを切ってから、1年後に結婚、長男出産というライフイベントがありました。
それから、育児、次男出産、育児…と。ですから、『決めた』というより『そうなった』という感じです。

③今どのようなことを教えていますか?

初級から上級まで各レベルを担当しています。
単に文法、語彙、読解、聴解を『教える』のではなく、学習者の自主性を引き出し、自ら学び、活動できるようにサポートしています。

④日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

新人の頃は、どうしたらうまく『導入』できるのだろうかというところにばかり、気持ちがいってしまい、そのアイディアを考えるのに苦労したことを覚えています。
今はそれよりもどうしたら学習者が生き生きと活動できるのかを考えるのに苦労しています。
戸惑ったことは、自分が「よし、これはいけるぞ!」と思ったことが、あまりうまくいかず、逆に「大丈夫かな…」と思っていたことが授業でうまくいったことでしょうか。最初の頃は「どうして…」と疑問に思い、戸惑いました。

⑤「日本語教師をやってよかった!」と、どのような時に実感しますか?

卒業していった学習者から、連絡が来て、本当に成長した姿を見るときです。
日本語学校は最長でも2年間で、学習者にとっては「通り道」だと思いますが、その「通り道」が彼らの人生にきちんと影響を与えているんだなと実感するとき、やはりこの仕事をしていてよかったと思います。

⑥今後どのような日本語教師になりたいですか?また、これからやってみたいことはありますか?

そろそろ、日本語教師としても終焉を迎える時期かなと思っていますので、最後に自分が日本語教師を目指した時に一番やりたかった地域日本語教育(特に年少者への)に携わりたいと思っています。

<就職活動>

⑦他の教育機関と比較・検討しましたか?

1校目と2校目の時は、いくつかの日本語学校を比較検討しました。
3校目と現在は、知人を通しての紹介でしたので特に他校との比較はしていません。

⑧日本語教師の求人について、どのようにお仕事を探しましたか?

1校目の時は、養成講座に来ていた求人情報で探したと思います。(昔すぎて記憶が…)
その後は、求人サイトや知人からの紹介などです。

⑨模擬授業ではどのような課題が与えられましたか?

1校目は覚えていません。2校目は模擬授業なしでした。3校目では初級の「~ておく」が課題でした。

⑩就職活動で参考にしたウェブサイトは?

日本村 日本語教師ジョブ IJEC 日本語教師キャリアです。

⑪日本語教師が国家資格化しますが、登録日本語教員の登録はする予定ですか?

はい、する予定です。やっと国家資格になり、日本語教師も国に認められた仕事になるんだなと思っています。

⑫日本で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

日本に住む外国籍の方は増加傾向にあります。
今後も日本が魅力的な国として世界の人々に選ばれるためにも日本で生活する外国人の方々が暮らしやすい社会を創っていかなければなりません。
その時に重要になるのが「言葉」です。人間は「言葉」を紡いで他者とコミュニケーションを取ります。
どんなに翻訳ソフトの機能が高まっても、自分で紡いだ言葉には勝ることはないと思います。そして、外国人の方々が日本の社会に溶け込むための最大の武器が「日本語」とそれに伴う「空気感」です。日本に来て進学・就職を目指す留学生、日本で生活する外国人に日本社会で生きていくための武器を身につけてもらうお手伝いができるのが日本語教師の仕事です。
「日本人だから日本語が教えられる」わけではありません。「日本語教師だから日本語を教えて、学習者の成長のサポートができる」のです。
今、日本語教育業界は大きな転換期を迎えています。理論も実践もしっかりと身につけて、転換期の渦に飲み込まれない、日本語教師になってください。

画像の説明
国内の日本語学校勤務 常勤講師
峯岸 淳子
日本語教師デビューは1994年4月です。歴は30年(怖い…)非常勤→専任(主任半年)→非常勤→授業専任→専任。 対象:留学生・生活者。(欧米系、中国、韓国、ベトナム、ロシア、タイなどなど) ずっと大切にしている信条は「プロであること=手を抜かないこと」
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