コラム

【現役日本語教師の正直インタビュー】ふと先の人生を考えたときに、海外で働きたいという思いをずっと持っていながら実行できていなかったことを思い出し…

日本語教師養成講座 コラム

現役日本語教師にインタビュー!

①日本語教師を目指したきっかけはなんですか?日本語教師になるまでには、どのような経緯がありましたか?

2020年の初めから日本語教師として働き始めました。
それまでマーケティングなどいろいろな仕事をし、中でもウェブ制作の仕事をトータルで10年程していました。大学の専攻は日本語教育とは関係なく、特に日本語教育に興味はありませんでした。ただ英語をずっと勉強していたので、語学には興味がありました。
ふと先の人生を考えたときに、海外で働きたいという思いをずっと持っていながら実行できていなかったことを思い出し、海外で自分に何ができるかを模索する中で日本語教師という仕事を知りました。
ウェブ制作のスキルや経験を捨て、未知の業種に挑戦するかどうか、三年くらい悩みましたが、やはり海外で働きたいという思いは一度実現させようと決心し、仕事をしながら一年間日本語教師養成講座に通いました。
「必ず一年で修了すること」「養成講座に通っている間に海外での就職を決めること」を自分に課しました。

②どうして海外で働くことを決めたんですか?

私が通っていた養成講座では、ときどき海外の日本語教育機関の就職説明会が行われていました。
海外の就職説明会には仕事を早退してでも必ず参加するようにしました。
タイの日本語学校、台湾の日本語学校、インドの人材研修会社の説明会に参加し、インドの人材研修会社に興味を持ったので応募しました。書類選考、教案提出、面接2回(日本語と英語)を経て採用されました。
インドの会社に興味を持った理由は、学習者が多岐に渡っていたからです。バンガロールにある日系IT企業のエンジニアに日本語を教えたり、インド人看護師に特定技能のための介護の日本語を教えたりしました。インドの生活には少し不安はありましたが、日本人の上司や現地のインド人スタッフがサポートしてくれるというお話も事前に伺ったので、インドで日本語教師に挑戦することに決めました。

③日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

インドに渡航して3週間後に新型コロナウイルスによる厳しいロックダウンがあり、外出禁止の期間が長く続いたこともあって、「日本語教師として」よりも「インドで生活する外国人として」苦労したことの方が記憶として多く残っています。インドにいた2年間でロックダウンが何度かあり、大変な時期もありましたが、今では貴重な経験ができたと思っています。
ロックダウン中はオンライン授業を行い、ロックダウンが緩和されると対面授業を行っていました。日本語教師の経験が浅い中でオンライン授業も初めてでしたので、試行錯誤が続きました。私が常識だと思っていたことがインドでは常識ではないということがたくさんあり、学習者にも宗教などによっていろいろな考えの方がいたので、そういった違いを尊重しつつ授業を進めていくことが大変でした。

④「日本語教師をやってよかった!」と、どのような時に実感しますか?

インドで日本語教師を始めたばかりの頃、N5レベルの学習者が、前の授業で私が教えた文型を使って一生懸命話そうとしてくれてるところを見て、とても嬉しかったのを覚えています。そういった経験が今も日本語教師を続けている原動力になっていると思います。

⑤今後どのような日本語教師になりたいですか?また、これからやってみたいことはありますか?

またいつか海外の日本語教育機関で働き、国によって異なる日本語教育事情について自分の目で見てみたいです。

<授業・参考>

⑥教案・授業作りで参考にしている書籍は?

日本語表現文型辞典

<就職活動>

⑦現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

インド全土での日本語教師の需要はわかりませんが、日本語学習者、若しくは日本語に興味を持っている人は決して少なくなかったと思います。

⑧海外の日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

インドの人材研修会社では、初級クラスでは適宜英語を使用して効率的に教えることが求められました。私はインド人の英語の発音になかなか慣れることができなくて、とても苦労しました。また、インドでは想定外のいろいろなことが起きるので臨機応変に受け入れつつ、きっぱり主張するところは主張する態度も必要かと思います。

⑨その国で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

何があっても大抵のことは楽しむという意識を持てば、楽しめると思います。

画像の説明
国内の日本語学校勤務 非常勤講師
F.T.
2020年にインドで日本語教師デビュー! ゼロ初級~N2レベル、企業の日本語研修、介護の日本語授業、在日外国人(生活者)への日本語授業、留学生への日本語授業などを経験。海外(インド)から帰国後、国内の日本語学校で日本語を教えながら、大学院で日本語教育について研究しています。 心がけていることは「あらゆる面で学習者との距離感を保つこと」
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