【現役日本語教師の正直インタビュー】自分の経験のすべてが生かせる、とてもおもしろい仕事だと思います!
現役日本語教師にインタビュー!
①日本語教師を目指したきっかけはなんですか?日本語教師になるまでには、どのような経緯がありましたか?
中学生のころから、ことばを学ぶことが好きで、いくつかの言語を自分で少しずつ勉強していました。
学生の間に留学はできなかったのですが、いつか旅行ではなく、しばらくの間外国で生活をしてみたいと思い、その手段として日本語教師の仕事に興味を持ちました。
大学卒業後、数年間地元の市役所に勤めた後、やはり日本語教師の夢に挑戦したいと考え、勉強を始めました。
短期講座や本で学び、検定試験に合格し、まず国内で非常勤講師として働く予定でしたが、青年海外協力隊に参加できることになり、現場未経験のため迷いましたが、思い切って挑戦してみることにしました。
②どうして今ここ(国内)で働くことを決めたんですか?
青年海外協力隊で2年間、日露青年交流センターの派遣で10か月間、国外で日本語を教える機会がありましたが、残念ながらチームティーチングではなかったので、自分の教え方に対する疑問がずっと残っていました。
帰国後、出産し、子どもが預けられる年齢になったので、養成講座で一からしっかり学び直し、国内の学校のチームティーチングの中で、長く仕事を続けていきたいと考えました。
③今どのようなことを教えていますか?
非常勤講師として働き始めてから、最初は、数か国の学生が学ぶ初級クラス、その後は大学院進学を希望する中国人留学生クラスを担当しました。
中上級の学生を教える中で、初級の学習の大切さを痛感し、現在は希望して初級のクラスに入らせていただいています。
多国籍の生活者のクラス、中国からの留学生のクラス、それぞれで教えています。
生活者に関しては、仕事で必要、という方のほかに、日本や日本語が好きだから、という理由で学んでくださっている方もとても多いと感じています。
④日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
私が難しいと感じているのは、学習者のレベルに合わせた語彙や表現のコントロールです。
残念ながら、文法を説明するほど媒介語が使えないので、授業でも、雑談でも、学習者に十分理解してもらえて、少しずつレベルアップした日本語で伝えられるように、よく考えます。
また、授業にあたり毎回苦労するのは、内容を絞ることです。授業の準備をしているとつい、調べたり、母語話者として思いついたことをできるだけ多く伝えたくなってしまうのですが、多すぎて学習者が疲れてしまったり、授業の時間内に収まらない可能性があるので、できるだけシンプルにするようにしています。
⑤「日本語教師をやってよかった!」と、どのような時に実感しますか?
「本当のコミュニケーションができたな」、と感じるときです。
最初は緊張もあってか「はい、いいえ」だけで答えていた方が、自分の意見を言ったり、質問をしたりしてくれるようになったり、冗談で一緒に笑ったり、私が知らなかったことを教えてくれたり・・・。学習者の母国のことや専門のことなども教えてもらえるのは、ありがたいです。
最近は、日本のことでも、私より学習者の方のほうが詳しいことも多いです。
熱心な学習者が多く、私がそれぞれの言葉を学ぶより、学習者が日本語が上達するスピードのほうがはるかに速いので、毎回の授業がとても楽しみです。
⑥今後どのような日本語教師になりたいですか?また、これからやってみたいことはありますか?
養成講座で、授業での教師の発話ができるだけ少ない方がいいと教えていただきました(教師3:学習者7)が、自分はまだまだ発話量が多いと感じているので、学習者にたくさん話してもらえるようによく考えたいです(おしゃべりなのでなかなか難しいのですが・・・)。
また、国内の外国人児童が増えていると聞いているので、日本語教育を通して、学習をサポートできればと考えています。
<授業・参考>
⑦教案・授業作りで参考にしているウェブサイトは?
『にほんご部』
いくつかのフリーイラストを組み合わせて場面を作ってくれているので、学習者に場面を示したいときにとても助かります。また、文型学習のゴールとして使う会話を考えるときも、会話例が参考になります。
『NINJAL-LWP for TWC』
授業で提示することばのコロケーションの優先順位に迷ったとき、調べて、参考にします。
⑧教案・授業作りで参考にしている書籍は?
『場面とコミュニケーションでわかる日本語文法ハンドブック』
それを学ぶとどんな場面で、何ができるようになるのかや、教えるときのポイントなどがわかり、とても参考になっています。
『生きた例文で学ぶ 日本語表現文型辞典』
例文が多く、会話例も自然で、説明がわかりやすいです。
『クラス活動集101』
『続クラス活動集131』
『中級日本語を教えるためのアイディアブック』
基本練習後の活動内容を考えるときに使っています。
<就職活動>
⑨他の教育機関と比較・検討しましたか?
はい。子どもが小さかったので、通勤時間を中心に比較・検討しました。
⑩日本語教師の求人について、どのようにお仕事を探しましたか?
最初は、養成講座を受けていた学校からの情報や、求人サイトで探しました。
仕事を始めてからは、同僚の先生方から、いろいろな情報がいただけるようになりました。
⑪模擬授業ではどのような課題が与えられましたか?
やりもらいの導入と練習だったと思います。
学生役の先生から何か質問されたのですが即答できず、調べて答える、と言いました。とても緊張しました。
⑫就職活動で参考にしたウェブサイトは?
⑬日本語教師が国家資格化しますが、登録日本語教員の登録はする予定ですか?
学習者に信頼してもらい、今後できるだけ長く日本語教育に携わっていくために、ぜひ登録を目指したいと思っています。
⑭日本で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。
日本語教師の役割は、「教室と外の生活をつなげること」だと思いますので、どんな日本語がどんな場面で使われているか、どんな人が使っているかなどをいつも意識するようにしています。
ことばや表現の使い方について、家族に聞いてみたり、話し合ったりすることも多いです。自分の経験のすべてが生かせる、とてもおもしろい仕事だと思います!